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「上手い」演技より「いい」演技

上手な演技ができるようになりたい!という声に対して、いい演技をしてほしいと伝えると「じゃあそのいい演技って何なのだ?教えてくれ!」とのご要望へのアンサーとして表現活動の大事な話をしていきます。

上手になりたい人がとてもとてもとても多いですが、一度立ち止まって思い直していただきたいんです。

 

そもそも、表現って何のためにするの?誰のためにするの?

 

表現と言うと抽象的でわかりにくいかもしれませんので、演技や絵画、音楽、言葉などいくつか想像してみてください。なぜ絵を描くんでしょうか?なぜ歌うのでしょうか?なぜ私たち人間は言葉を使うんでしょうか?

ハッと気付かれた方が多いと思いますので、ここで答え!

 

届けるためです。

風景や色彩を、感情を、想いを、想像の世界を、現実に起きた事実を、情報を、私たちは伝えるために表現します。誰かに届けたいから、届けたい人がいるから表現をするんです。

 

上手にやれれば「上手いね」と言われ、いい表現は感動を生みます。

 

もしもそこに届けたい何かがあるならいい表現を目指してください。

上手になりたいのは誰のためですか?

どうか表現をしたい気持ちの根幹にあるものを大切にしてください。人と繋がること?感動を分かち合うこと?誰に何を届けたい?

それを掘り下げていったら、上手くやることより大事なことが見えてくるのではないでしょうか。

 

想いや心を持っているかどうかは、観たらすぐわかります。自分のためにやってるのもすぐわかります。自分をよく見せようという心が透けて見えてしまう。でもこれって根本的に自分や他者に愛を持っているかとか、わりと奥深いところが起因してます。

人に貢献して喜ばせて自分も嬉しくなりたい!って在り方から表現活動は始まっています。上手さを目指すより、素敵な人でありたいと願い一生懸命生きて、その人生のほんの一部をお届けする。表現する者の使命かもしれません。

 

いい表現とはの答えはひとつじゃありません。上手く見せるためにセリフを抑揚つけて滑舌良く言うことや効果的な表情のつくり方を知ることはひとりでやれますが、いい表現はひとりじゃやれないからです。

表現は他者の存在があって初めて成立します。その他者は表現を観て演者の心の状態まで受け取ります。もしもその心が「上手く見せたい」だったら、また観たいと思えるでしょうか?人の心を揺り動かす気がないものに魅力を感じられるでしょうか?

前提として表現は他者が必要で、そして他者はコントロールできません。もっと言うと表現は、人間だけじゃなくて時間や風潮、流れている空気感や地球の摂理も総合的に関係してきます。それらは一個人には決してコントロールできないし、毎日変わり続けていますよね。

日々変わり続ける世の中で不確実性の波を生きているのに「明日以降も正しい」答えを出そうとすること自体がもはやナンセンスなんでしょうね。一律の答えが出せないんです。

だから、いい表現とは何かの答えは、「その時々で変わるし、そこで生まれる何かを楽しむ心である」と言えます。

 

 

 

 

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