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演技メソッドは必要な時に活用するもので、それを神格化してはならない

演劇には先人たちが築き上げてきた方法論(メソッド)が数多く存在します。

その方法論は先に生きて演劇を真剣に取り組んでいた方が一生懸命創り上げてきた「上手くいく秘訣」で、今を生きる私たちにとってとても便利なものです。演技をプレーする時にどこから取り掛かればいいのか?のとっかかりや、よりイキイキと魅力的に見せるための理論、演技で見せかけの嘘をつかないための方法、心や体を解放する方法、台本の読み解き方、セリフを言う時のセオリーなど、それを使って壁を乗り越えてきた!という方もおられるのではないでしょうか。

メソッドを学んで、できるようになって、一歩一歩成長するってとてもわくわくしますよね!

 

でも、気をつけてください。これから学ぶ方もですし、もう学ばれた方も自身をぜひ顧みてください。

 

メソッドは便利道具で魔法ではないし

それを崇め盲信的になってはならない

 

演劇は心を扱うし目には見えない分野で、まるまんまの自分を使っていくからなのか、たとえばうまくいかない時に自分の存在価値を疑ってしまう人がいます。プレーがうまくいかなかったなら「行動」を変えればいいだけなのに、「自分だからダメなんだ」と原因を自分の存在価値に求めがちです。プレーがうまくいかなくてもあなたの尊厳は奪われませんし、あなたという存在は素晴らしい。それなのに、プレーがうまくいくことと人間的価値は関係ないって頭ではわかっているはずでも、そこを繋げて捉えてしまいがち。

 

それは演技が「自分という素材」をめちゃくちゃ使うし「生きてること自体が演技」で、日常と演劇がとても近いからです。

 

日常での人とのコミュニケーションの癖や困難にぶつかった時の対処や感情の発露の仕方が演技にそのまま出てくるので、それがダメ出しされたり人と比較してしまうことで不安になりやすいからです。

不安になってる時にメソッドを差し出されたら、藁をも掴む思いでメソッドを取り入れていきます。そうしてだんだんとメソッドの信者になっていく・・・。

あなたの個性がイキイキと存分に発揮された素敵な表現をするための道具によって誰かにとっての正しさを求めてしまい、個性が潰れてしまう。

 

逆、逆です!!

道具に使われちゃいけない!

 

個性を発揮したいなら魅力的な表現をしたいなら、やるべきは場に流れる波に乗って他者との関わりを楽しむことです。

頭の中で理論をなぞるんじゃなくてとにかく感じて楽しんでいれば結果的に自分固有の個性が滲み出てきます。純度高く場を楽しみ尽くすのが演技のコツです。他の誰にも真似できないあなたにしかできない表現って、手放しに楽しまないと出てきません。

「それが正しいか」はどうだっていいし、「自分をよく見せてやろう」なんてフォーミーな気持ちを混ぜて濁らせてはいけない。

とにかく今この場を他者と思いっきり楽しむぞ!の純度を高めてください。

 

 

 

かの有名なスタニスラフスキーは言いました。メソッドは便覧であると。

今の状況をスタニスラフスキーはあの世できっと悲しんでいるだろうと想像しています。

 

表現ってもっと自由で軽やかなものです。

今を生きている私たちがこの場で感じたことをワクワクと体現していくと、笑顔の伝播が起きます。

観客もプレイヤーも、「この場に立ち会えてよかった!」と幸福感に包まれてその余韻で明日まで元気に生きられます。

刹那に終わるのに人生を明るく照らしてくれるもの。

それが感動です。

 

 

 

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