会話上手な人が使うテクニック~演劇現場より
知らず知らずのうちに私たちは思考のクセを身につけている
クセとは時に厄介なものです。
クセとは、習慣になっているものなので自分ではなかなか気がつけないのですよね。
歩き方のクセを指摘されて「あぁ、ホントだ」と・・・。
無意識でそうなっていて
知らない自分に自分で驚くことって案外あるものです。
本日ご紹介する話はぜひ、
「自分はどうだろうか?」とご自身と対話をしながら読み進めていただきたいと思います。
それではスタートです!!(∩´∀`)∩
Yesを出すクセは人間関係を良好にし、
Noを出すクセは人間関係をわるくする
テーマはこれ!
コミュニケーションの場でYes/Noどちらを出すクセをもっているかで、
あなたのコミュニケーション能力の高さが決定すると言っても過言ではない!
えっコミュニケーションに自信がない?
ご安心ください。
習慣(クセ)は意識すれば取り除くことができますし、
この記事を読めば演劇的会話上達テクニックをひとつお持ち帰りいただけます(゚д゚)!
ではさっそく、演劇を用いてお話ししていきます。
(余談ですが筆者は、演劇は日常生活のリハーサルだと思っております。
関係性の芸術と呼ばれる演劇は、より良い人間関係構築に役立つ材料の宝庫です。)
〇〇こんな会話、身に覚えはありませんか?〇〇
①
A 「今の仕事にイマイチやりがいを感じなくてこれからどうしようかなって思ってて、」
B 「いやいや、そんなの甘えだから。」
A 「・・・」
②
A 「今の仕事にイマイチやりがいを感じなくてこれからどうしようかなって思ってて、」
B 「わかる~!私も仕事マンネリしてるし今の職場だとこの先不安だなって思うこともあって。先週なんてさぁ~~・・・・」
A 「・・・」
③
A 「今の仕事にイマイチやりがいを感じなくてこれからどうしようかなって思ってて、」
B 「Aは〇〇とか〇〇とか得意そうだし他の仕事に挑戦してみたら?俺、こうやって人の特性見破ったり人の特技見つけたりするの得意だからコンサルとか向いてるって思ってるんだよな~。」
A 「・・・」
①②③の例を見ていきます。
まず、①②③はAがまだ話し終わっていないので
相手の話を聞かない(No)時点でコミュニケーション不成立です。
①は相手(A)の感情に対して「いやいや(No)」と否定しているのが宜しくありません。
Aが自身の状況についてどう感じるかはAが決めていいはずなのに、Bはそれを否定しています。
最後まで話を聞いた上で「そうなんだ。あなたがそう思っても無理はないかもね。」と一度感情を受け止めた上で「私はこう思う」と意見を伝えるのであれば、建設的な会話になります。
②③については一見「何が良くないの?」と思われてしまうかもしれませんが、
Aさんが話の主役であるところをBさんが完全に奪ってしまっています。
Aさんがしたい話(続きがあったかもしれない)を聞かず(No)にBさんが話をすり替えてしまっているので、
Aさんはしたかった話を我慢して黙っています。
話し手は必ず何かしら意図があって発言をします。
人の話を聞かないで発言権を奪ってしまうのは、
一方的で成立しないコミュニケーションです。
あなたの身の周りでこういったこと、ありませんか?
もしくはあなたもやってしまっていませんか?
そう、先にお話ししたとおり、
クセは自分で気づくのが難しい!のです。
☆相手の話をきちんと最後まで聞く
☆相手の言いたいことを感じる
この2つに気をつければ相手の話を奪ってしまうことは無くなるはずですが
演劇に絡めてテクニックとしてまとめてみます。
(∩´∀`)∩
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会話のテクニック:「Yes,and」(イエス・アンド)
インプロにおいてはこの「Yes,and」(イエス・アンド)が非常に大切にされます。
例えば即興でシーンを演じている時に、
A 「ねぇお姉ちゃん!お花がキレイに咲いているね!」
に対して
B 「わぁ!本当だキレイだね!赤いチューリップが鮮やかでいいね!」
と返すのがイエス・アンドです。
「はい!そして~」と相手の発言や行動に乗っかり、要素を付け加えて返すことです。
このイエス・アンドが繰り返されることで話は盛り上がっていくのです。
イエス・アンドの逆はキャンセリングと呼ばれ、
A 「ねぇお姉ちゃん!お花がキレイに咲いているね!」
に対して例えば
B 「いや、枯れてるよ。」
と返すことです。
花がキレイに【咲いている】事象に対してNoを出したため、相手(A)のアイデアを潰してしまいました。
B 「わぁ!突然雷が!」
これも、相手(A)が提示したシーンを受け取っていないので最初のAの発言が無かったことになってしまいます。
相手が提示したもの(オファーと呼びます)に対してNoを出したことになり、同じくキャンセリングにあたります。
ただし、シーンの中で相手役を活かしたハプニングとして雷を使うこともできます。
A 「ねぇお姉ちゃん!お花がキレイに咲いているね!」
B 「わぁ!本当だキレイだね!赤いチューリップが鮮やかでいいね!」
A 「赤に黄色に・・・お母さんとお父さんにお土産に摘んでいこう。これと、これも摘んでいこう。」
B 「ダメだよ。お花の神様に怒られちゃうよ!・・・・わぁ!突然雷が!」
↑
こんな感じです。これらはあくまで一例です。
演じ手の数だけ世界が広がります。おもしろいですね。
この「キレイなお花」の会話例、(キャンセリング)
実は筆者が演劇の講座を担当した際にも頻繁に見られるパターンでもあります。
統計を取っているわけではありませんが最初のうちは7割、8割くらいの方はNoを出してしまいます。
人前でのインプロは自意識が働きますから思考に余裕がなくなり、自分にとってラクなほうを無意識的に選択してしまっている可能性が高いです。
Yes,andで乗っかるよりもNoで拒絶するほうがラクなんです。
日常も同じです。
相手の心情を察してあげるよりも自分の心情にフォーカスしていたほうがラク。
誰かと関わるよりも自分の殻に閉じこもっている方がラク。
ですが、Yes,andを実践してみると気づいていただけるはずです。
誰かと関わったほうがおもしろい!ということに。
実際に、ワークが進んでいくと段々とみなさんYesを出せるようになってきます。
Yesが出始めると途端に自然とイキイキとした表現ができるようになるのです。
演劇では、俳優は創造性溢れる表現をするために『目の前にいる人・あること・イメージを受け入れられる状態』に整えます。
そう、「Yes,and」思考グセが演劇トレーニングのひとつでもあるのです。
今からできるテクニック、「Yes,and」思考ぜひ取り入れてみてください(∩´∀`)∩
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