アサーティブネスと演劇
アサーティブコミュニケーション、実践していますか?
あまり耳馴染みのないであろう「アサーティブ」について、
今回は書いていきます。
アサーティブとは「自己主張」を指す言葉です。
「自己主張」と言うと自分の意見を一方的に主張することのように捉えがちなのですが、
全くそうではないよ!という主旨の記事です。(笑)
つまらなそう?
3分だけどうかお付き合いください☆
対人関係において悩みをお持ちの方には、お役に立てるキーワードになるはずです。
繰り返しになりますが
「自己主張」と言うと自分の意見を一方的に主張することのように捉えがちです。
「アサーティブ」は決して相手に押し付けるコミュニケーションの方式ではありません。
ただ、敢えてアサーティブという言葉でもってお話ししていきたいのです。
アサーティブとは何か
自分も相手も尊重したコミュニケーションの方式です。
「アサーティブ」のポイントは
・誠実であること
・率直であること
・対等であること
・自己責任
この4つの「姿勢」の柱です。
文章にするとこうなります。↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分の意思や気持ちを「誠実」に自分で受け止めて嘘やごまかしはせず
相手に卑屈になるでも攻撃的になるでもなく「率直」に
なおかつ立場や年齢の上下はなく「対等」にひとりの人間として伝え、
自分の発言に対して「責任」を持つ姿勢。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
筆者はアサーティブの姿勢に対して非常に好感を持っています。
自身も常日頃より実践し続けたいと考えていますし、
アサーティブであることは自分にとっても周りにとっても有益であると信じています。
なぜならば、
「言ったってどうせ伝わらないし・・・」
「本当は嫌だ。でも断るのがこわい・・・」
「自分という人間を尊重されていないような気がする」
などの日常に転がっている小さな不幸が
アサーティブなコミュニケーションをスキルとして身につけることによって
格段に減っていく確信があるからです。
上記のような小さな不幸の積み重ねは、
会社や家庭、学校に対する意欲を削ぎ
疲れさせ
人間関係の破たんなどのかたちで大きな不幸となってしまう可能性すらあります。
また、相手に対して攻撃的な態度を取ってしまいがちな人は
アサーティブを知ることによって自身を顧みるきっかけになるのでは。
日本の文化:以心伝心
わたしたち日本人は「以心伝心」「忖度」の文化です。
率直に意見を言葉にすることがどうにも憚られる・・・
こういう方が多いのです。
これは日本の過去を遡れば必然性のある文化なのかな、と筆者個人は感じており
その文化を評価、批判することはしません。
ただ、時代は変わってきているな・・・と日々肌で感じています。
それは
ダイバーシティの理解と実践をするよう企業や個人が努めていかねばならない状況になってきている、ということにあります。
日本が労働人口を今後維持していくために
諸外国からの労働力を受け入れていくことが不可欠
労働市場からはじかれていた女性や障がい者を積極的に活用する必要がある
これらのことからも明白です。
日々変化する社会の中で生きるわたしたちは、
今後は多様性を受け入れ、
自分とは違う文化を持った他者と共生していくためのコミュニケーション方式を取らねばならなくなってきています。
今後は「言わなくてもわかってもらえてるはず」が通用しなくなります。
そりゃそうですよね。
国や宗教などの背景が全く異なれば
同じ事象に対しての捉え方や価値観が異なるわけです。
筆者は以心伝心そのものについて好きも嫌いもありませんが、
「言わなくてもわかってもらえてるはず」の無言のメッセージに自分が気がつくことができなかったり相手の意に沿えなかったりした時に
「なんでわかってくれなかったの!!」と叱責されると
言ってくれたほうが100倍良いな、と思います。
これは個人的意見ですが。
ちなみに、
自分の思い通りにならないことがあったからと言って態度で示す人は
わかってほしいのにわかってもらえない不満、怒りを当てこすってしまいがちです。
ふてくされるなどの態度は未熟な子ども。
そんな態度では何の解決にもなりません。要求がわからないので周りもきっと困惑します。
わかってほしいからちゃんと自分なりに誠心誠意言葉で伝える、というコミュニケーションの基本をもう一度思い出してほしいのです。
アサーティブの柱にもありますが、
言葉の選択や言わない選択、それを決めたのは自身の責任なので他者を責めることはできません。
相手に伝わらなかったのは自分の伝え方が自分本位だったからに他ならないのです。
アサーティブと演技
アサーティブコミュニケーション研修としてロールプレイング(演劇)が行われることがしばしばあるようです。
筆者自身、演劇の講座を担当する際に「今思っていることを相手に率直に伝えてみよう」と声掛けをしますし自身が演じる側の時にもアサーティブであろうとします。
演技とアサーティブコミュニケーションには数々の共通点があります。
それは以下の通り。
●演劇は仮想空間であるから実生活のリハーサルができる
●演劇は人間関係ドラマであってコミュニケーションの芸術である
●やりたければやっていいし、やりたくなければやらない自由が平等に与えられている
●演技の基本は「イエス、アンド」(相手を受け入れる姿勢)である
●相手と対立、衝突することを悪と思わなくていい→人が2人いれば意見の食い違いはあって当たり前であり、だからこそ1人では成し得なかった創造ができる。感情的になるのは一生懸命な証拠である。
●アサーティブも演劇も、相手に暴力をふるう・傷つけることはしない約束がある
など。
アサーティブと聞くと自分には関係ない小難しそうな話だ、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、わたしたち人間は社会性の生き物であり決してひとりで生きているわけではないのです。
人が2人いればそこにコミュニケーションが起こります。
何かを成し遂げようとするとぶつかり合うことだってあるでしょう。
それはごくごく自然なことで、
自分の周りにいろんな人(性別・年齢・国籍・趣味嗜好・仕事・学歴・外見・人生経験)がいるわけですから
対立を避けることはできません。
でも、それでいいのです。
良くないのは、自分と違う人をコントロールするために攻撃してしまうこと。
また、相手に意見を伝えられず委縮してしまうこと。
これは一個人、一企業の努力だけでは何ともならないことかもしれません。
(自分ひとりがアサーティブであろうとしても相手が攻撃してくる場合など)
ですが、世の中は間違いなく多様化社会に変化しつつありますから
今後は一般的な考え方になっていくだろうという予測があります。
この記事をお読みのみなさんからぜひ、
コミュニケーションの方式をちょっとだけ変えていってみてください。
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